安家川に行ったことがない方であれば、安家川と聞けば、原始の川とか、ダムのない川とか、サクラマスが遡る川とかなんだかすごく釣れそうな、釣り人にとってはパラダイスのような川を想像している人が多いかもしれない。
岩手の秘境にも近いようなど田舎にある全くスレのない、竿出せば面白いように大型のイワナやヤマメが簡単に釣れる。
なんて思っていたらそれは大間違いである。
実際の安家川の現実といえば、そのネームバリュー故に県内外から釣り人がこぞって集う超ハイプレッシャー激戦区である。
故に最下流から源流域までまんべんなく釣り人の踏み跡があり渓魚たちはとことんスレている。
大型の渓魚どころか、周りの素晴らしい渓相とは裏腹に魚はいないし釣れても小さい、初見で竿を出したら稚魚サイズのヤマメが2~3匹釣れて終わるのが関の山だと思う。
GW中は県外ナンバーの車が多数路上停車していた。
安家川に夢を見て、実際に竿を出したら全然釣れないし、ウライがあって遡上魚は期待できないし、上流部や支流には渓流を遮断する旧型の堰堤(最近は環境に考慮したスリット型の堰堤に改造するところが多い)が沢山あるし肩を落とし失望してしまった方も多いかもしれない。
この川でいい魚を釣るには以上の事を覚悟しておく必要がある。
しかしそうはいっても原始の川の名前は伊達ではない、川自体はとても素晴らしい。
まず他の川とは木の太さが違う、下流域から川沿いには広葉樹の大木が沢山ある、大木が多い川は丈の低いバラや笹やアシが少なく遡行がしやすい。
川には天然の大岩がゴロゴロしており、その岩が至るところで水を一時的に堰き止めて深いプールを作る、その石や深い淵が魚の絶好の住処となる。
いくら釣り人が多いとはいえ川の魚を根こそぎ全部釣るのは不可能だ、最初の一人目が入ればその日はもうそのポイントでは殆ど釣れない状態になる。
そういった条件があるからこそ安家川では不意の大物に出会うことが稀にあるのだ。
このGWでいつも以上のプレッシャーを受けた安家川で釣りをしていると、いくら自然保護の綺麗事を並べたところで、結局のところ渓魚たちの最大の天敵は我々釣り人であるとつくづく思い知らされる。
それと同時に、安家川が本当に真の原始河川だった頃、釣り人も居なくウライもなく砂防ダムもない時代。
そんな大昔の安家川は、どれだけ魚影が濃くどれだけ魚が大型化していたのだろうかと、想像しただけでもワクワクしてしまうのは釣り人の性だろう。
前振りが長引きましたが、本編はここから。
釣りしてる時ってみなさん何考えながら釣りしてますか?
今回の釣行で自分はこんな事を考えながら釣りしてました。
場所は安家川の結構上流部、源流部に突撃しようかとも思ったんですが源流の方が逆にスれているという有り様でちょっとずらした所での釣行。
ちょっと写真がボケたかも。
今回はあまり写真を撮らなかったんでこれしか無かったです。
流域的には源流に近いのでイワナオンリーの所でした。
狙いは源流色の尺超えイワナを釣りたかったんですが、やはりこの色の尺超えはそう簡単には釣れないようで、最大は泣き尺止まりでした。
サイズは及びませんでしたが、色だけはサビと柿色のお腹が相まって正に源流色で最高です。
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COMMENT
無題
安家川は、でかいの一発と期待してやりますがなかなか釣れないです…( ̄ー ̄)
でも、ワクワク感がたまりません。
Re:無題
と思わせるような渓相がワクワク感を掻き立てるんでしょうね。
安家川論
見事な個体ですね.これぞイワナという感じです.
岩手の渓流もブラックバスが釣れちゃったり,紙オムツ(成人用)が引っかかってきたりと多くの問題が発生します.
小生は安家は年に数回しか訪れないのですがいつもスゴいと感じています.
空き缶はおろか吸殻ひとつさえ捨ててあるのを見たことがありません.
上流には集落があるので肥料袋の一枚や二枚は流れてきてもおかしくないのにそれも遭遇したことがありません.
ブロークン・ウインドウ理論がそのまま実践されているエリアです.
この川を訪れる釣り人はマナーがいいと感じると同時に,この川は愛されているんだなと思っています.
Re:安家川論
自然の中に住みながらその自然の尊さを理解し行動に移すということは自然への関心・理解・意識が高くなければできません、それを実行できるというのは他の地域よりも住民のレベルが高いという証拠だと思います。
遠くからわざわざ安家川に釣りに来る人は、人工物の少ない原始河川での釣りを求めているため、ゴミを捨てるなんて自分で自分の首を締めるような真似はしないんだと思います。