今年も狙い続けたサクラマス、シーズン開幕直後は「今年はスタートダッシュで3月サクラを一日に5本くらい上げてやろう！」と鼻息を荒くして意気込んでたんですが・・・

行けない。
忙しくて全然釣りに行けない・・・

そんな中、友人から一通のメールが届く。
添付画像付きだ。
メールにはこう書かれていた
「60アップ」と



 61㎝　ヒットルアー　レンジバイブ

くそー！！あいつやりやがった！
いきなり60アップを叩き出す友人。
こんな写真を見せられたら、なんだかそわそわして仕事なんかには全然気が入らない。
サクラマスのことが気になってしょうがない。
早く釣りに行きたい！


3月も後半に入った頃、やっと自分も竿を出せるくらいの余裕が出てきた。

人が釣ったと知れば俄然やる気が出てくる。
が、しかしそう簡単には行かないのがサクラマスである。

釣れない、とにかく釣れない。
チェイスもなければバイトもない。
そんな中でも上げている人は上げているようで、「1日に何本釣った」とか「今年はこれで何本目だ」とかそんないい話ばかりは耳に入ってくる。

3月　ノーヒット、ノーバイト、ノーチェイス

ついに3月サクラは釣れなかった。



そして4月、60アップを上げた友人と一緒に釣りをする機会があった。
当然サクラ狙い。
朝の4時半からフィールドに立つ、サクラ釣りは人気があるためか、この時間に入っても一級ポイントには立てない・・・が、釣れない時間が続くと一人、二人と自然と釣り人は少なくなってくる。
朝の7時位になると第一陣は自分と友人の二人だけになっており、繰り上がり方式で自然と一級ポイントへと二人で立つことができた。
つり場には第二陣も到着し始めた頃である、なんだか隣で騒いでいる友人。
友人の竿が曲がっている、しかも尋常じゃない慌てっぷりだ。
おっ！釣れたか！と慌てる友人に対して余裕を見せながらランディングの準備をしていると友人、何故か半ギレで
「たもぉぉぉ！はやくたもぉぉぉぉぉぉ！」
（ったく、そんな慌てなくてもランディングくらいしてやるよ）と心の中で呟きながら寄ってくる魚体に狙いを定める。

「ん、でかいか？・・・でかいな。」
「ちょっとまて、超デカくね！？デカい！デカい！デカい！！！ｗ」

見たこともないようなデカイサクラが寄ってくる。
これは友人も必死になるわｗ

そして阿吽の呼吸で華麗にランディング！

65㎝3.3kg　ヒットルアー　ショアラインシャイナー

こいつ、またしてもやりやがった、しかも俺の隣で！
もうあえて言葉にしなくても写真を見れば一目瞭然だがでかい！体高やばい！

友人に釣果を見せつけられて俄然やる気は上がる一方で、これよりもデカイのは釣れる気がしない・・・そもそも自分には全く反応がないと意気消沈する自分がいた。

4月は結構やったほうだ。
主に過去の実績ルアーを投げ続けた。
具体的に言うとサイレントアサシン140Sノースプレミアム　ブルーカタクチを
去年一番釣れたルアーなので間違ったことはしていない。
間違ったことをしていなければ釣れる魚かと言えば答えは「NO」なんですが・・・

そしてこれを見ていただきたい。


去年使い倒したルアー、しかもシーズン中での3代目だ。
これを見ただけでどれだけの回数キャスティングしたか、サクラ釣りの苛酷さがお分かりいただけるだろう。

まぁ、どんなに釣れなくても4月中は通いまくってれば間違って一本くらい掛かってくる奴がいるだろう、そう希望的観測をしていた。

で？どうだったかというと・・・


4月ノーフィッシュ　ワンチェイス　1バラシ

そして5月に突入。
3月や4月なら他に狙いたい魚もいないしサクラ狙い一本で集中できるんですが、5月ともなると他の魚も活性が上がり始めて、サクラもやりたいけど・・・あっちも！こっちも！となってくる。

正直今年は全然いい日に当たらないし5月は・・・と言うか今年はもうサクラは深追いしないようにしようと思っていた。

深追いしないと行っても追わないわけではない。
あくまで深く追わないだけでチャンスがあれば追うことは追う。
そしてチャンスはすぐに来た。
GWなので当然サクラポイントは混雑しているだろうと思って様子だけ見て帰ろうとしていたら、なんとサクラ狙いアングラーはゼロのガラガラ状態。

人がいないってことはまぁ釣れてないってことなんだろう。
そんな心境のまま釣れなそうだったらすぐに帰ろうと決心して挑む。

しかし、そんな日に限って高反応が帰ってきたりする。
久しぶりのチェイス！
しかも結構デカイかも。

ここは一つ、初心に帰って去年の一発目のヒットルアーサイレントアサシン129でいこう。
去年は129Sで初ヒットしたが今年は129Fを使った、なぜフローティングかと言うとフローティングとシンキングを間違って買ってしまったからである。

「竿を寝かせるよりも立てて引いたほうがブリブリ泳いでいい感じだなぁ」とか、そんな小手先の変化を加えながら巻き上げていると・・・


コッ♪・・・　ココンッ！・・・・・・・・ゴフン！！

おらきたぁぁぁ！！

一年ぶりのサクラの重み、単純な重量だけではなくこれまでに費やした時間、抱いてきたサクラへの思いもすべて乗っかった重さだ。

ばらさないように竿を寝かせながらローリングをかわし波の力を利用して一気に陸へズリ上げる。


白銀に輝く美しい魚体だ。
デカイし太い！
念願の初物、初物にして60アップ！


サクラマス62㎝　2.8kg ヒットルアー　サイレントアサシン129F

こうして今年もなんとかサクラマスを釣り上げることができたが、今年もとても長い戦いだった。
はっきり言ってしまえば釣れない釣りなんてのは、時間と体力の無駄意外のなにものでもない。

せっかくの貴重な休みなのに、家でこたつに入りながらテレビでも見てゆっくり休むとか、楽しくショッピングに出かけるとか、そんな休日の過ごし方をあえて捨てて、寒いし疲れるし金かかるこの釣りに挑むなんて俺は馬鹿なのか？しかも釣れない。

釣れないのに何時間も、何日も、何ヶ月もの時間を無駄にした。
その時間を他のことに費やしていればどんなに生産的な生活ができただろうか・・・

世の中には時は金なりという言葉もある、そんな人生の限られた大事な時間を何故かこの釣りに大幅に費やしてしまう。

それは、サクラマスが魅せる夢、サクラマスを手にした時の感動・喜びが、自分の中で何よりも勝る価値ある大切なものになってしまったからなのかもしれない。